【保育士直伝】いつになったら落ち着くの?そんな「落ち着きのない子ども」の対応方法
保育園や幼稚園に通うようになったり、公園で遊んだりすることで他の子と自分の子を比べて、なんだか落ち着きのないように思えることがあるのではないでしょうか。
3歳までの子どもは大人が思っているより落ち着きがないものです。
遊びに夢中になると言うことを聞かなかったり、好奇心旺盛で落ち着きがなかったり、一人が走ると楽しくなってみんなで走り回ったりしますよね。子どもが成長していく中で活発になりだす時期はもちろんあります。
だんだんと自分の意志が出てきて、主張をする年齢になってくると、親御さんも不安や心配事が増えていきますよね。
子どもはだいたい3歳半、4歳ごろになると、動き回るのを抑えようとする脳の抑制機構が成熟し次第に落ち着いてくるとされています。
今回は、「落ち着きのない子ども」のさまざまな原因と、子どもへの対応方法についてご紹介します。
目次
落ち着きがない子の特徴
☑手や足が落ち着かない
☑周りが気になり話が入っていない
☑騒いで動き回る
☑周りのお友達にちょっかいを出す
☑椅子に座って活動できない、そわっそわしている
☑忘れ物・なくしものが多い
☑順番待ちができない
☑会話の流れや雰囲気を気にせず話す
このような特徴が挙げられます。お子さんに当てはまる項目はありましたでしょうか?
親の育て方が原因だろうかと悩む人もいますが、原因全てが育て方のせいではありません。
これから原因や対応の方法をご紹介します。
落ち着きがない原因
自己主張をしたいから
自分の思い通りにならないと、暴れたり、大声を出したりすることがあります。
わがままになったり暴れて自分の意志を主張するのは、自我が芽生えてきた証拠です。
子どもの感情を汲み取りながら、注意するだけではなく寄り添って話してみることが大切です。
興味を引きたいから
自分に興味を示してほしい場合、注意されることをあえてしたり、周りと真逆のことをして視線を集めようと考えます。
いろいろな行動をとることで、興味を引こうとするので、落ち着きがないように思えます。子どもには興味の引き方の視点を変えられるように声掛けしてみましょう。
子どもの強みや得意なことを褒めてあげることで、周りを困らせるのではなくて自分の得意なことを見てもらい注目を集める満足感を教えてあげると、だんだんと子ども自身が考える興味の引き方が変わってくるでしょう。
情緒が不安定なため
家庭の事情や、環境の変化などで情緒が不安定になる為、落ち着きがなくなったり、普段とは違う行動をとったりすることがあります。
子どもは一人ひとり性格も違います。強い心を持っている子どもでも繊細な部分を持っています。子ども達の気持ちに寄り添い、共感し認めてあげることが大切です。
好奇心旺盛
小さい頃は周りにあるものが新鮮で、日々の生活の中で興味関心がわくことがたくさんあります。周りの情報しか頭に入らず全体のことが把握できていないことがあります。
その為、周りとは違う行動をとったり、落ち着きがないという風に感じ取られてしまいます。
興味を持つことが出来たり、関心がわくということは素晴らしいことです。その子なりの集中できるポイントが見つかったと捉え、その部分を伸ばしてあげられるように声を掛けたり、一緒に楽しめると変化が出てくると思いますよ。
やってはいけない!NG行為
日常的に叱る
言葉で何度も注意するだけでは子どもは聞き流します。または、形だけ落ち着いたようにしています。注意をすることも大切ですが、あまりしつこく言い過ぎてしまうのは逆効果です。しつこく言いすぎることはよくないですが、粘り強くかかわることは大切です。
子どもは話を聞いてほしいものです、こちらが落ち着いて聞いてあげたり、楽しく受け入れることで子どもの反応も変わってくるかと思います。
しつこく言うのと、粘り強く伝えていくのとでは違います。しつこく言われることは誰もが嫌だと思います、子どもが嫌気がささないように粘り強く少しずつの変化を感じ取っていきましょう。
放置する
放置することで時間が経ち自然と子どもが落ち着くと思っている方も多いのではないでしょうか。自然と自分の中で切り替えて落ち着き行動できることもあるかもしれませんが、その時間が持続するかというとそうではありません。
しっかりと子どもと向き合い継続的にコミュニケーションをとったり、落ち着きがないことへの理由を考え子どもにあった言葉がけをすることで、だんだんと感情が安定していき、自分に自信がついていきます。放置するのではなくその子にあった対応をすることが大切です。
保育園で実践している方法
ホワイトボードに1日の活動内容を書く
園では一日の流れをホワイトボードに書き、その日の活動内容を子ども達が把握できるようにしていました。小さい学年は文字が読めないので一日の流れは書かずに、今日はこんなことするよ!という感じで言葉で伝えていました。
年中・年長になると少しずつ文字が読めるようになり、考えて活動できるようになってくるため、文字にして書いていました。子ども達は活動内容を把握しているとそこを目標に一日過ごします。その為、先生が活動を忘れていたりすると子ども達が教えてくれたり、自分達から何時ごろに活動が始まるのかなど聞いてきます。何か目的に向かって活動するということに子どもは自然と夢中になって取り組むようになります。
集中できる環境に整える
子どもの関心のあるものが、活動中に視界に入らないように別の場所に移動したり、その時だけ場所を変えて活動を行うようにしたりなど、環境の設定も大事にしながら活動していました。
周りに気になるものを置かないようにすることもしていましたが、園庭に出て絵を描くなどもしていました。落ち着きがないから何かを制限したりするのではなく、遊具や砂場などの遊び場があったとしても開放的な場所で絵を描くということに喜びを感じ夢中になる子もいました。子どもが落ち着きを無くしてしまう要因を見つけ、その要因を取り除いてあげることが必要です。
一緒に楽しめる環境を作る
落ち着きがないので、落ち着かせるようにするのではなく、一緒に周りも巻き込んで楽しく遊べる経験を増やすことで活動に自然と入ってこられるようにしていました。落ち着くように促すことも大切ですが、無理に強要するのではなく楽しく活動できているという意識にかわるように声を掛けることで、少しずつ気持ちも切り替えられたり、苦手意識がなくなっっていきます。
まとめ
落ち着きがない子はそれぞれに理由が考えられます。声の掛け方によって、子どもの姿も変わっていきます。親御さんにとって自分の子が落ち着きがないと不安や心配が増えていくと思います。
人により性格は様々です、落ち着きがないと捉えるところを少し思考を変えて天真爛漫で元気いっぱいで自由が好きな子という風に感じ取れば、その子の個性だと感じとれるのではないでしょうか。
大人にとってはただ落ち着きがない子どものように感じ取られることもあると思いますが、実際は何か理由があるのかもしれません。子どもの表情や普段との違いなどに気が付くことで落ち着きがない原因がわかる場合もあります。
何か不安に思うことやいつもと様子が違うことがあれば保育士に普段の園の様子などを聞いてみるといいですよ。
子どもは家の姿と園で過ごす姿は違うことがほとんどです。ほとんどの保護者の方から家と園での様子が違うことに相談を受けてきました。
同じ年齢の子ども達が喜んで遊ぶようなことに全く興味を示さずに、年齢相応の落ち着きが出てこない場合は、発達に何か問題がないか、専門の医師や保健師などに相談してみるのも良いかと思います。