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保育園の種類と違いを徹底解説!
日本で子どもを育てる時、保育園・幼稚園という名称がつく場所以外にも、様々な子育て支援があるのをご存知でしょうか。どんな家庭状況なら預けられるのか?内容にどんな違いがあるのか?費用はどれくらいかかるのか?調べてもわかりにくいことが多くあります。
保育施設の種類と、その利用方法、様々な子育てサービスについてや、それぞれの違いについてご紹介しましょう。
保育園とは?
「保育園」は基本的に朝から夜まで子どもを預かってくれる施設のことを言います。給食やおやつ、お昼寝などがあり、基本的には「家庭での保育に欠ける子ども」が入園することができます。
例えば入園できる子どもの家庭状況として、保護者が働いている、家に保護者以外の大人がいないため子どもを日中育てる人がいない、病気療養のため入院する・出産をする、仕事がない人でも就職活動中である、といったことがあげられます。
保育園によって受け入れる人数や年齢は違いますが、産休明けから小学校入学前の子供の入園が可能です。
保育園にも種類があり、「認可保育園」「認可外保育園」「幼保一体型・こども園」などがあります。
保育園と幼稚園の違い
保育園には「家庭での保育に欠ける子ども」が入園できるという条件がありますが、幼稚園の入園に際しては特別な条件はありません。お仕事を持たない保護者であっても入園が可能です。それは幼稚園は「保育施設」ではなく「教育施設」のためです。
保育園は厚生労働省の管轄であり、幼稚園は文部科学省の管轄です。
幼稚園もその園によって様々な過ごし方があり、お弁当だけではなく給食があったり、早朝・夕方・夏休み・冬休みなどの預かり保育をしている園もあります。
今は、保育園への入園希望が多く待機となった場合や、教育的な観点を大切にしたいと言う保護者が、働きながら幼稚園へ子どもを通わせるケースも増えてきました。
認可保育園と無認可保育園の違い
保育園の「認可」と「認可外」とは、どのような違いがあるのでしょうか。実は認可外と言っても、無責任で危険な保育園ではなく、様々な理由があってのこともあるのです。
認可保育園とは
保育園には園庭や給食室などの保育設備と、園児に対する保育士の人数、保育可能な時間など様々な設置基準があります。その設置基準に達している保育園が「認可保育園」です。
また、受け入れる子どもについては必ず「保育に欠ける」ことが条件なので、働いていない保護者や子どもを家庭で育児できる時間がある家庭の子どもは入園できません。
無認可保育とは
認可外保育園は、設置基準に達していないこともありますが、保育時間を長くする、休日や病児保育をする、仕事をしていない保護者のリフレッシュなどのために時間預かりをする、園庭などはないが駅の近くで預けやすい環境であるなど、様々なメリットもあります。
そういった現代社会の保護者の働き方に合わせて、わざと認可を申請しない保育園もあり、ニーズが高まっています。
保育園、幼稚園以外の保育施設の種類
子どもを預かってもらえる施設には、保育園や幼稚園以外にもたくさんあります。公的なサービスであっても、どの市町村にもあるわけではありません。
制度や施設として、日本にはどのような子育て支援施設・サービスがあるのかを、ご紹介しましょう。
認定こども園
認定こども園とは、保育園と幼稚園の両方の機能を持ち合わせた施設です。教育と保育を同時にしますが、預かってもらる子どもの年齢は0歳から就学前の子どもまでと幅広く、保護者が働いている・いないに関わらず利用でき、預かり時間が長いことも特徴です。
2006年からスタートした制度で、仕事を持つ保護者に人気が高まっています。
担当する職員は、できれば保育士と幼稚園教諭の両方の資格・免許を持っていることが条件ですが、10年間の猶予期間があり、その間に資格取得をすれば良いことになっています。
クラスを受け持つ担当としては、
- 満3歳以上のクラス→幼稚園教諭と保育士資格の両免許・資格の併有が望ましい。
- 満3歳未満のクラス→保育士資格が必要
となっています。
地域型保育
「地域型保育園」とは、今までの認可保育所ではカバーできなかった大都市や地方の保護者のニーズに応えるため、小規模保育施設や企業主導型保育施設に対し、新たな基準のもと認可を与えることで、保育士の質の向上や環境の整備を行い、子育てを支援していく制度です。
原則的には0~2歳までの子どもが入園の対象で、3歳以降は連携する施設へ転園することとなります。
託児所
託児所とは、保育園や幼稚園が対応できない時間に子どもを預かってもらえたり、職場の中にあったり、また、一時的な預かりサービスなどを行う施設です。
保育園などへの待機児童が解消されにくい地域などでは、ニーズが高く大変増えています。
保育園から託児所へと預け先を移動し利用しながら、仕事をしている保護者もいます。
企業主導型保育園
企業主導型保育園は、自社の社員が利用することが最大の目的で設置されている保育園で、内閣府が認可した保育園です。設置場所周辺で働く他社の保護者の子どもも受け入れたり、企業主導型保育園によっては、時間預かりや一時預かりを行っている園もあります。
基本的には、社員や周辺で勤務する方の子どもを預かりますが、例えば病院内にあり、患者さんが診察を受けている間に預かる、仕事を持たない保護者のリフレッシュのために一時預かりをするなど、様々な形態があります。
院内保育所
病院の中や近隣に設置された保育園で、病院や施設の職員の子どもを預かる保育所です。預かる時間も、病院や施設で勤務する職員の時間帯にあわせるので、実質24時間体制のことも多くあります。
地域型保育事業
「地域型保育事業」とは、2015年に制定された「子ども・子育て支援新制度」のひとつで、各地域が抱える保育の問題を解決するための新たな制度の1つとして作られました。
どのような保育施設があるのか、詳しくご紹介しましょう。
小規模保育
「小規模保育園」とは、0歳~2歳までの子どもが入園できる保育園で、定員は19名以下の小さな規模の保育園です。3歳の年になると転園しなければなりませんが、小さな年齢の子どもは待機児童となることが多いため、待機児童解消のための役割も持ち合わせています。
子どもの数が少なく家庭的な雰囲気の園が多いため、年齢が小さなときは小規模保育園で育てたいという希望を持つ保護者も少なくありません。
家庭的保育
保育士一人で3人までの子どもを預かることができ、家庭的な雰囲気の中で保育をする事業です。開設は自宅でしているところもあります。保育士資格のない人は、市町村の検収を受け、開設をしています。子どもの年齢は3歳未満児までで、それ以上の子どもは預けることができません。
国の認可保育園なので、保護者は仕事を持ち日中保育ができない、保育に欠ける子どもが対象です。
自治体や市町村によっては、「保育ママ」という呼び名のこともあります。
事業所内保育
市町村の認可を受け、会社や企業が開設する保育園です。3歳未満の子どもが入園でき、地域の子どもも入園することができます。3歳を過ぎると連携している園へ転園することができます。
企業主導型保育園との違いは、認可か認可外かということとです。企業主導型保育園は認可外保育園となりますが、その代わり保護者に合わせた柔軟なサービスの設定をしています。
認可保育園である事業所内保育園は、保育士の人数や保育園内の設備などが基準通りである安心感はありますが、保育時間などが短い場合もあります。
居宅訪問型保育
居宅訪問型保育とは、ベビーシッターなどが来宅しマンツーマンで保育をしてもらうことです。これは認可外保育園と同様であり、保育士の資格がない人でも検収を受ければ、保育をすることができます。
市町村によって違いはありますが、最近はインターネットのマッチングサービスなどを使い、希望の日時に見てもらえるベビーシッターを探して、来宅してもらうというパターンも増えてきました。
ファミリーサポートセンター
市町村によっても違いはありますが、保育士や、保育士ではない人でも保育に関する様々な研修を受けた人が、子どもを預かったり来宅し保育してくれるサービスです。
急な仕事で帰宅できなくなった場合や、保育園や幼稚園が終わった後自宅で保育してもらうことができたり、習いごとや保育園・幼稚園などの送迎、学校の下校後に子どもを預かってもらったり、買い物の際に子どもを見てもらうなど、短時間や単発的な子どもの預かりなどをして貰うことができるサポート事業です。
利用料金も市町村によって変わりますが、30分単位で料金設定をされていることが多いようです。
ファミリーサポートセンターが仲介となり、マッチした育児援助会員に子どもを預けることになります。
保育園の種類のまとめ
保育園や幼稚園と、それ以外の子育て支援や保育事業についてご紹介しました。
仕事だけではなく、様々な事情で子どもを誰かに見てもらいたい場合、認可保育園や幼稚園だけではない豊富なサービスや事業があります。
お困りの際は、ぜひお住いの市町村の公式サイトなどで検索し、遠慮なく頼ってみてはいかがでしょうか。